
調教師 橋口慎介先生インタビュー(後編)
教えて!橋口慎介先生!(後編)
前編では調教師になったきっかけ、アイルランドでの経験、ワンアンドオンリーなど話していただきました。前編はこちら
今回は後編ということで引き続き橋口慎介先生にインタビューさせていただきました!
橋口慎介先生のプロフィール
出身地:滋賀県
生年月日:1975年3月31日(47歳)
開業年度:2015年
主な活躍馬:ワンアンドオンリー、グレイスフルリープ、レーヌブランシュ
出身地:滋賀県
生年月日:1975年3月31日(47歳)
開業年度:2015年
主な活躍馬:ワンアンドオンリー、グレイスフルリープ、レーヌブランシュ
■後編インタビュー内容■
● 競走馬づくりに対するこだわり
・ 橋口厩舎を支えるスタッフと戦略
・ デビューの時期が一生を左右する
● UMAUMA販売競走馬ビジャリカの2020
・ ビジャリカの2020の現在の馬体
・ ビジャリカの2020に期待すること
競走馬づくりに対するこだわり
澤 引き続き、馬づくりに対する先生の考えやこだわりについてお伺いさせていただければと思います。
橋口 はい、よろしくお願いします。
橋口厩舎を支えるスタッフと戦略
澤 それでは、橋口慎介厩舎としての取り組みについてお伺いさせていただきたいのですが、今スタッフの方は何人いらっしゃるのでしょうか?橋口 今は12人ですね、父の時代からのスタッフもいますので。
澤 なるほど、経験豊富なスタッフの方もいると思うのですが、管理や調教などはやはり基本的にはスタッフの方に任せているのでしょうか?
橋口 いえ、完全には任せるという形ではないんです(笑)ただ厩舎としてスタッフが仕事をしやすいように枠組みを作って、その上でスタッフの意見も聞きながら、最終決定は私が行うという形ですね。ただ特に乗り手の意見というのはかなり参考にしてます。感触や感覚などを言語化した上で、その馬にとって何が最適なのかスタッフたちと議論を重ねながら、馬にとってのベストを探っていきます。
澤 やはり、そこも完全に任せるのではなく、バランスを取られているのですね。ちなみにお父様からは何かアドバイスを受けたりするのでしょうか?
橋口 いえ、今はほとんどそういったことはないですね(笑)開業当初は引き継いだ馬が多かったので、そういったことがありましたが。ただ父が馬券を買っていた馬で負けたら電話がかかってきます(笑)その時には色々言われますね(笑)今は完全にいち競馬ファンとして競馬を楽しんでいるのだと思います。
デビューの時期が一生を左右する
澤 今年も2歳新馬がデビューする時期になってきました。先生にとってデビューの目安というか、時期に対するお考えなどはありますでしょうか?橋口 もちろん、馬主の方にとってもそうですが、デビューが早いことに越したことはないです。ただ、競走馬がデビューする時期、タイミングというのはその後の一生を左右しかねない重要なファクターの一つだと私は考えております。
澤 それは一体どういうことなのでしょうか?
橋口 まず、競走馬がデビューできるかどうかを見極めるのに重要なのが、その馬が競馬に耐えうる体力をつけているかどうかなんです。いくらタイムが坂路で出ているからといっても体力がついていなければ、早い時期でデビューさせたとしてもいずれ使っていく中で必ずガタが来ます。
澤 なるほど、私たちからするとタイムが出ていればデビューに近づくと思っていました。
橋口 そうなんです。馬はそれぞれによって成長曲線が必ずありますから、デビューのタイミングを見誤ったりすると、その成長を阻害することになります。また未完成な体の状態で走らせると精神的に病んでしまう馬もいるんですよね。育成牧場の方に「いつでもいけるよ!」と言われて、厩舎に持ってきた馬でも精神的な部分に問題があって全然ダメな馬もいるんです、、、
澤 精神面の把握というのは本当に難しいんですね、、、そういった問題に関して先生が取り組まれていることはありますでしょうか?
橋口 やはり、育成牧場の方と密にコミュニケーションを取ることですね。もちろん時計が出ているかどうかも大事なんですが、その馬自身の感触や性格などそういった部分をしっかりヒアリングして、北海道に行った際もそこを自分で見極める必要がありますね。
澤 先生はどういった育成牧場さんとコミュニケーションを取られているのですか?
橋口 自分はシュウジデイファームさん、ノースヒルズさん、ノーザンファームさんなどとお付き合いさせていただいているのですが、どこもノウハウが確立してきて、早い時期からガンガン動かしていますね(笑)育成技術もどんどん進歩していると思います。
UMAUMA販売競走馬ビジャリカの2020
澤 それでは、今回UMAUMAにて販売させていただいたビジャリカの2020を管理していただくことになりまして、まず預かっていただくことになった理由についてお伺いさせていただければと思います。
橋口 はい。まず最初にお話を頂いた際に決め手として、馬の写真を見た時のパッと見の第一印象です。感覚的なもので言葉で説明するのは難しいのですが、なんというか品の良さを感じました。また動画を見せて頂いた際も動きの良さで「やっぱり良い馬だな」と改めて思いましたね。
ビジャリカの2020の現在の馬体
澤 ではビジャリカの2020の現在について教えていただけますでしょうか?橋口 はい、先日も北海道のシュウジデイファームさんで見てきたのですが、動きは良くなっていますね。ただまだ非力なところがあるので体力が付き切れてないです。牝馬ということもあり、気性が敏感そうな感じでそれが良い方向に出てくれたらと思います。
ビジャリカの2020に期待すること
澤 それではビジャリカの2020に期待することについて教えていただけますでしょうか?橋口 そうですね、走りの感じと血統的にもエピファネイア産駒の母父ディープインパクトですので芝に適性があると思います。距離に関してもクラシックを目指していくようなイメージでいます。走り方は非常に良いので楽しみです。デビューは体力がもう少し欲しいので秋以降のイメージでいます。

ビジャリカ2020(1歳時)
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