
馬主インタビュー 福盛訓之オーナー(前編)
馬主インタビュー 福盛訓之オーナー(前編)
競馬を支えるホースマンたち、このコーナーでは馬主さんに競馬・馬主活動にまつわる話を深堀りしていきます。記念すべき第一回目として先日の函館2歳ステークスに出走したミシェラドラータなどを所有されており、「いい馬みつけ旅」のYoutubeチャンネルや各メディアに出演されるなど今話題の馬主、福盛訓之オーナーにUMAUMA代表の澤がインタビューさせていただきました!
福盛訓之オーナーのプロフィール
出身地:大阪府大阪市
経歴:学習塾「個別指導キャンパス」を経営する新教育総合研究会株式会社代表取締役社長、その他多数の会社を経営
主な所有馬:ミシェラドラータ、エトワールジェンヌ
出身地:大阪府大阪市
経歴:学習塾「個別指導キャンパス」を経営する新教育総合研究会株式会社代表取締役社長、その他多数の会社を経営
主な所有馬:ミシェラドラータ、エトワールジェンヌ
■前編インタビュー内容■
● 福盛訓之と競馬と馬主
・ 福盛訓之が馬主になったきっかけ
・ 交わるはずのない人達との出会い
・ 馬選びの楽しさであり難しさ
● 馬主「福盛訓之」の現在地と未来
・ 3本の柱で「勝ち」にこだわる
・ 馬主1年目で繁殖牝馬を購入した理由とは
・ 本当の「いい馬みつけ旅」
・ 馬主の楽しみ方は千差万別
福盛訓之と競馬と馬主
澤 本日は福盛オーナーに馬主活動について色々とお伺いさせていただきます。よろしくお願いします!
福盛 はい、こちらこそよろしくお願いします。
福盛訓之が馬主になったきっかけ
澤 まず早速なんですが、福盛さんが馬主になろうと思ったきっかけというのは何だったのでしょうか?福盛 元々、小中学生の時から競馬が好きで、馬券が好きというよりは競馬に対してスポーツとしての魅力を感じてましたし、何よりサラブレッドの美しさに魅了されてました。大学1年の時に将来どう生きていくかを考え自分は実業家をやっていきたいなと思ったんです。そこで成功すれば馬主をやってみたいなあと思ってたんですけど、会社経営をしていく中で、仕事に没頭していたこともあり、馬主のことは完全に頭から抜けてましたね。
澤 そうだったんですか、いつその馬主をやろうと思ったんでしょうか?
福盛 そんな時に芸人のギャロップ林さんに誘われて、競馬場に行って、馬券を購入したんですが、やっぱり馬券でドキドキするのはなんか違うなあと。今ならなれるし、馬主をやってみようとその時に思い出しましたね(笑)なのでずっと馬主を意識して目指していたわけではないですが、そこで思い出したのがきっかけですね。
交わるはずのない人達との出会い
澤 そんなわけで馬主になられたんですね。福盛さんもまだ馬主を始められてそこまで年数は経っていないですが、馬主をやっている中での醍醐味と言いますか、楽しみはありますでしょうか?福盛 そうですね、私は個別指導キャンパスという学習塾であったり複数の会社経営をしているのですが、その本業では出会うことがない人たちとのやり取りですよね。生産・育成牧場、調教師、厩務員、騎手、馬主さん。皆さんそれぞれ深く関わることはなかった、未知の人たちとのやりとりというのは新しい刺激です。皆さん本当に面白い人達ばかりで、そういった方たちとのコミュニケーションは楽しませてもらってますね(笑)
馬選びの楽しさであり難しさ
澤 確かに競馬関係者の方々はあまり出会わない人種ですよね(笑)福盛 はい(笑)もう一つは馬選びですよね、やっぱり。本業、ビジネスはしっかりステップを踏めば成功する確率は高いですが、馬の購入というのは本当に難しいです(笑)ただその難しさがあるからこそ、それを克服していく過程と言いますか、だんだんと馬の見方について勉強していく中でその難しさ、わからなさをどうにかしようと努力していく「過程の楽しさ」というのは感じますね。あとは何より馬は生き物として可愛いですよね。当歳からだとあんなに小さかった仔馬が1年で大きくなって、その馬がデビューするまでは夢を抱きながら、妄想して(笑)本当にレースで自分の馬が勝った時は関係者の人達と心から喜べるのも最高ですね。

ミシェラドラータ(2歳未勝利)
馬主「福盛訓之」の現在地と未来
澤 なるほどですね、「馬選び」という難問を解決するまでのプロセスを楽しむというのは面白いですね!次に福盛さんの馬主活動の現在、今後について色々とお伺いさせていただきたいです。
3本の柱で「勝ち」にこだわる
福盛 馬主を始めて気づいたというか、これは私の考えなのですが、馬主としていわゆる成功を収めるには本質的なところは課金ゲームに近いのかなと(笑)課金額が高ければ重賞など大きいレースを取れる確率は高いと思いますね。ただそれでは早く大きいレースを勝とうと思うと圧倒的な経済力が必要ですので、私はそうは行きません(笑)私の馬主活動としてはセリと自家生産、庭先の3本の柱でバランスを取りながら今後もやっていこうと思います。よいレース結果と経済的負担のバランスが崩れ、お金しんどいなあ!が強くなりすぎないように(笑)澤 なるほどですね、確かに億越えの馬が散々な結果だと心が病みそうです(笑)福盛さんの勝ちたいレースというか戦略的に芝クラシックを狙う、ダート短距離を狙っていくなどはあるんでしょうか?
福盛 戦略というとこで行くと特に芝ダートにこだわりないですね。中央でとにかく勝てばええです(笑)。今は絶対にダービー取りたい、クラシック取りたいというのもないです。というのも私は特に過去の名馬やダイナカール、エアグルーヴといったようなそういった血統に特別な思い入れというのは持ってないんですよね。だからキンシャサノキセキ産駒とかの短距離馬やマル外、芝血統など色んな馬を積極的に買ってますし(笑)買った馬の金額から考えてどこを目指していくのか、良いなあと思った馬がダートならダートですし、 その馬のあるがままに沿って、大きいとこを目指していくというスタンスでやっています。
馬主1年目で繁殖牝馬を購入した理由とは
澤 そうなんですか!非常に意外な回答で驚きました(笑)個人的に聞いてみたかったのが、馬主1年目で繁殖牝馬を購入されたと思うのですが、なぜなんでしょうか?なかなか珍しいことかと思いまして。福盛 これはYoutube(いい馬みつけ旅)でも一番突っ込まれたところです。生産は地獄だと言う人もいますからね(笑)牡馬でクラシックを狙うような馬をとなった際にもちろん大手牧場さんの良血の牡馬を!と思うんですが、なかなかそれを購入し続けるのは難しいじゃないですか?それなら、自分で良血の繁殖牝馬を手に入れて、自分で掛け合わせていって、自分で作るしかないなと思ってということですね。牧場でも始めるんですか?と聞かれましたが、預託生産という柱を作っていく上で重要なことと思って購入しました。
本当の「いい馬みつけ旅」
澤 なるほど、そう言われると凄く腑に落ちました。福盛さんはセリでの購入がメインだと思いますが、セリについてはどう思いますでしょうか?福盛 セリというのはやはり非常に合理的な方法だとは思います、レポジトリで最近は所見も公開されていますし、公平公正な場かとは思いますね。日本のセリはもちろんですが、海外だと例えば2歳のアメリカOBSセールは活躍馬も多数出てたり、走りを見て購入できるというのは専門家の人たちとも話するのですが、魅力の一つですよね。
澤 確かに比較ができるというのもセリの魅力ですね。庭先についてはどう思いますか?
福盛 やっぱり難しいですよね、、、日高だけで何百と牧場がありますが、それを全部回るってもはや修行に近いじゃないですか(笑)馬主さんの中にはブローカーやマネージャーがいたりして、そういった人たちに完全に一任されてる方もいますが、素人やけどプロと一緒にくっついて、わからないものをわかるようにしたいと私は思うタイプですのでそのしんどさや面倒さも楽しいですね。北海道で何百キロと駆けずり回って、馬を見て、「腰痛いわー」言うてやるのが馬主の醍醐味ですかね。いや、勤労の喜びですかね?(笑)
馬主の楽しみ方は千差万別
澤 勤労の喜びは間違いありません(笑)やはり馬主として自分で馬をゼロから見て、やっていきたいということですかね?福盛 そうですね、やはり馬は自分で見たいです。人に全て任せるとなると、例えばパチンコなら負け続けますよね。でも競馬は努力ゲーの要素があると思ってます。経済的には投機かもしれませんが(笑)ただその投機を投資に変えていく努力を続けていくことが大事なのかなと。馬主さんの中にはレースに行かない人もいらっしゃいますし、人それぞれ馬主の楽しみ方は違いますよね。大資本でG1狙い小資本でコスパ重視、結果よりも自分の馬が無事に走ってこれたということに大きな満足感を得るという方もいらっしゃいますし、自分なりの楽しみ方をこの年齢になって見つけられるのが馬主の醍醐味ではと。(続編に続く)
次回予告:馬選びに大事なのは血統?それとも馬体?ナムラクレアから見える馬主と調教師の理想の関係とは!?
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