高村牧場 高村祐太郎代表インタビュー(後編)
牧場インタビュー 高村牧場(後編)
競馬を支えるホースマンたち、このコーナーではサラブレッドの生産牧場に生産にまつわる話を深堀りしていきます。今回は第二弾ということで浦河地方の高村牧場高村代表にUMAUMA代表の澤がインタビューさせていただきました!
高村祐太郎代表のプロフィール
出身地:北海道
主な生産馬:ショウリュウムーン、キクノストーム、アンジュミニョン
出身地:北海道
主な生産馬:ショウリュウムーン、キクノストーム、アンジュミニョン
■後編インタビュー内容■
● 競走馬づくりに対するこだわり
・ 高村牧場の配合理論
・ 走る馬は生まれた時にわかる!?
● 高村牧場注目の新種牡馬
・ 世界的良血馬リアルスティール
・ 仔出しが良いとは?
・ 必ず馬は牧場に戻ってくる
競走馬づくりに対するこだわり
澤 引き続き、高村代表にお話しを伺いたいと思います。
高村 はい、よろしくお願いします。
高村牧場の配合理論
澤 先ほども少し触れましたが配合に関して何かこだわりなどありますでしょうか?高村 そうですね、昔は本当にトレンドの種牡馬をつけていたのですが、今は自分が好きな馬をつけるようにしています。最近は日高地方の牧場の多くはダート馬が多いですが、自分は芝馬が好きなので 今年も芝馬をつけました(笑)去年のセレクションセールにおいてナパの20(エイシンフラッシュ産駒)が売れた時に見てくれている人は見てくれるんだと凄く自信になったのもきっかけですね。※ナパの20(タイセイサンダー)は先日の東京新馬戦で2着 配合的なところで言うと、うちの生産馬で最も活躍したショウリュウムーンの母であるムーンザドリームですが、母系の中で走っている馬の父はキングカメハメハ系なんですよね。そして、なぜそれをつけると走るのか?馬の体つきを見た時に、このムーンザドリームの産駒は腰が緩い馬が多くて、それならステイゴールド系の腰がしっかりしたのをつけたら最後ビュッと切れるんじゃないかと思って、ムーンザドリームの子供には付けてみたいと思ったり、馬体と血統と両方のバランスが重要なのかと。よく血統だけで相性が良いとニックス配合と言われることが多いですが、なぜそれがニックスなのかを馬体を見て結論づけるということを心がけていますね。
走る馬は生まれた時にわかる!?
澤 なるほど、やはり走る馬というのは血統だけでなく、馬体も含めたバランスの良い馬なのですね。高村 はい、特にショウリュウムーンというのは生まれた時に思ったのがお尻がゴリラでしたね。(笑)
澤 ゴリラですか!?(笑)
高村 はい、皮膚が薄すぎてお尻がゴリラみたいに大きくて、生まれた瞬間にこれは絶対走ると思いました。(笑)仔馬というのは生まれた時に色々感じるものがあるのですが、全く馬を見たことがない人も感じるような輝きというか、そういったものを走る馬は生まれた時点で持っているのだと思ってます。逆にこの馬がこんなに良くなるのか?と思ったのがキクノストームですね。正直、特に目立つような馬ではなかったんですが全く手はかからなかったなという印象でそういう馬が走るのかもしれません。
ショウリュウムーン(チューリップS)
高村牧場注目の新種牡馬
澤 ありがとうございます、配合、仔馬の話が盛り上がってきたところで高村さんが今年期待しているというか、注目している新種牡馬などいたら教えていただけますでしょうか?
高村 生産馬でいるということもあるのですが、リアルスティールは良いですね。
世界的良血馬リアルスティール
澤 今年、社台グループもかなり期待してますよね。高村 そうですね、芝馬は薄く出てしまう印象なのですが、馬格もあって格好良く、皮膚感も非常に良くて、気品もある。何より放牧地での動きが良いですね。放牧地でぐるっと回る時のターンが凄く早くて、脚さばきが軽いです。ディープ×ストームキャットというのはやはり良いんでしょうね。
仔出しが良いとは?
澤 確かに、世界的良血馬ですから楽しみです。もう1頭あげていただけますでしょうか?高村 ナダルですかね。うちの子でフェザーレイの仔がいるんですが、出てきた時の凄まじさというか、サイズもあって仔出しが良いのかもしれません。
澤 なるほど、仔出しが良いというのは良く生産界で言われることなのですが、具体的にはどういったことなのでしょうか?
高村 難しいですね、馬っぷりというよりはバランス、皮膚感の良さ、持って生まれる雰囲気、オーラが凄くて次元が違うようなものを感じます。人それぞれかもしれませんが、小顔だったり顔が良い、目が輝いているというのも仔出しが良いと言えるんじゃないでしょうかね。母馬もそうですが、父馬も種牡馬見学の時にオーラが出ていて凄く良いなという馬がいたらつけますね。種牡馬もその年、その年のコンディションがありますから。
必ず馬は牧場に戻ってくる
澤 ありがとうございます、最後に何かお伝えしたいことなどありますでしょうか?高村 これは最近の話なんですが、生産馬を供養するために馬頭観音を立てまして。なぜかというと生産牧場をやっていて、馬が生まれて、馬主さんに買ってもらって終わりというわけではなく、人間と同じように親としての意識というか、そういったものをちゃんと持って生産をやりたいなと。きっかけとしてはコスモイグナーツという馬がいたんですが、個人的に凄く落ち込んでいるときに、アイビーSを勝ってくれて、それが凄く励みになりまして。あの子は人なつっこくて凄くかっこいい馬だったんです。調教中に事故で亡くなってしまったんですがそれが凄いショックで、、、そこから強く思うようになりましたね。 正直、生産馬の中でもどこで命を落としているかわからない馬がいます。でも必ず牧場に戻ってきていると思うので供養してあげたいなと思います。
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